何故か、胸騒ぎがして。

こっそりと入った・・・森の奥。



いつもなら、あんまりナギの傍を離れないんだけど。




どうしてだろう・・・。










―――――誰かの声が、聞こえた気がしたの。














そして、見つけたのは・・・・。















                 
See You

















見つけたのは・・・・・今、私の隣にいる・・・コイツ。



こっそりと森に入ってすぐの木の根元で、何だか知らないけど、眠っていた。
最初は行き倒れかと思ったけど、それにしては身なりがいいし。


そう言えば、ドサクサに紛れて名前・・・聞きそびれちゃった。





・・・・・ま、どーせアイツとかコイツとしか呼ばないだろーから、別にいいけど。






どーみても子供なのに、何であんなところにいたのか聞いても、黙り込むだけで。
どこか哀しそうに・・・小さく、口元だけで笑っていた。



その時の顔が、なんだか・・・ナギに似ているような気がして。








私は何故か・・・それ以上、何も聞けなかった。













・・・・・それにしても。











「ねぇ、アンタ。いつまでここにいるつもりなワケ?」


すぐ横に腰掛けるアイツの顔に視線を向けてみたけど、薄暗いテントの中では、
その表情まではよく見えなくて。





「・・・・・アスナちゃんが眠るまで、ここにいますよ。」




寝袋から覗いていた私の手に、そっとアイツの手が添えられる。
柔らかくて、温かなその手の感触と同じ・・・優しい、穏やかな声。




「・・・ちょっとアンタ!私は一人で寝られるわよっ!子供扱いしないでよね!!」




そのあまりの心地よさに一瞬、まどろみかけた私は、誤魔化されまいと必死に声を荒げる。






私は子供が嫌い。
子供は・・・人に頼ることしか出来ないから。
だから、何も一人で出来ない自分も・・・嫌い。




早く大きくなりたい。




誰にも迷惑をかけないで済む・・・大人に。






だから・・・子供扱いされるのが、私はイチバン嫌いなのよ・・・!









「ご、ごめんなさい・・・そんなつもりじゃ・・・」







イキナリ身を起こして、怒鳴るように反論した私に、アイツはかなり戸惑ったような様子で。


起き上がって、お互いの顔と顔が近くなったせいか・・・それとも、薄暗さに目が慣れたのか、
思わぬ私の反論に困っているアイツの顔が、うっすらと確認できた。






「・・・・・言い方を変えます・・・僕が、アスナちゃんの傍にいたいんです。」





とりあえず横になって・・・と、私を再び、ゆっくり寝袋へと寝かしつけるアイツの顔を、思わず
マジマジと見つめてしまう。








―――――今、コイツ・・・なんかすごいコト、言わなかった?







今日、初めて会ったばかりなのに。
何処のどいつかどころか・・・名前だって、知らないのに。
ナギが何もしないところを見ると、悪いヤツじゃないと思っては・・・いたけれど。



でも。



・・・・・コイツ、一体、何考えてるの?





何だかバカにされてる気がして、もう一度声を荒げようとした私は・・・そのまま、言いかけた言葉を
飲み込んでしまった。













「・・・・・・・あ、ごめ・・・ごめんなさい。何でも、何でもないんです。」











その瞳から零れ落ちた、一筋の雫。

慌てて隠すように、ゴシゴシとその腕で拭って。









そういえば・・・コイツ、初めて見つけた時も、私を見て・・・泣いてた。










その涙を見たら

さっきまでの怒りも

飛び出しかけていた言葉も

すうっとどこかに、消えてしまって。











何故か分からないけど・・・私は、寝袋の中からその柔らかな手を求めて、手を伸ばした。










「・・・・・ア、アスナ・・・ちゃん・・・?」







求めていた感触に触れた瞬間、戸惑いを含んだアイツの声が、私の耳に届く。



その瞬間、何だか急に照れくさくなって。
ドキドキと大きくなったしまった自分の心臓の音を耳にしながら、急に紅く火照ってきた頬を
見られないように、くるりとアイツから顔を背ける。








「・・・・し、仕方ないから・・・傍にいてあげるわよ・・・。」








小さく・・・それでも、今の私には精一杯の大きさの声で零れた言葉に、少し驚いたような、
アイツの声が聞こえてきて。










「・・・・・ありがとう・・・」








少しの間の後に還ってきた言葉に、私は言いようのない満足感を覚える。













どーして初めて会ったばかりなのに、こんな気持ちになるんだろう・・・とか。

やっぱり名前ぐらい、聞いておいた方がいいかなぁ・・・とか。






いろいろなコトを考えていたんだけれど。






その手を通じて、伝わってくる確かな温もりが・・・とても心地よくて。















「おやすみなさい・・・アスナさん。」
















アイツの言葉が、まるで魔法の呪文のように、私を優しい眠りの世界へと誘っていった。

























ついにやってしまいました。ミニアスネギ。(笑)

メールでyu-kiさんからミニアスネギでSSを!とリク(?)頂きまして。
それを読んだ瞬間に、何故かムラムラ(笑)とそれもいいかも・・・?と、思って
出来上がったお話です。

夜、アスナがテントで眠る前のネギとアスナの会話をイメージしてみました。
「アスナさん、眠っちゃいました」みたいな(うろ覚えです、スミマセン)台詞を
ネギがナギに話しているのを見て「・・・というコトは、ネギはアスナが眠るまでを
見届けていたんだな?・・・そうなんだな?!」という、相変わらすの夜神の強引な
捏造設定(笑)の上でのお話となっています。

出来る限りほのぼの(?)を目指しましたが・・・ど、どうでしょう?


最終話を見て、支障がないようなら「NOVELS」ページに再アップしますが、差し障りが
ひどいようでしたら、期間限定となるかと思います。(^^;

ミニアスネギ・・・皆さんの反応がかなり怖いですが(汗)よろしかったら、ご感想など
頂けたら、とても励みになります。よろしくお願いします♪



最後まで読んでくださってありがとうございました。





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