「・・・・・あの・・・夕映さん、ちょっと相談にのってもらえますか?」





その時私は、私を頼って相談してくれるという、その事実が嬉しくて・・・。


でも、何故でしょう・・・。


どこか、哀しいような・・・虚しいような、そんな不思議な気持ちにも、苛まれていたのです。















ある密かな恋

















場所を外に変えた私たちは、大きな彫像が聳え立つその足元へと、腰を下ろした。




・・・・・そういえば、ここはよくネギ先生が一人で座っているところですね。





そんなコトをぼんやりと思いながら、手にしたパックジュースを一口啜ると、少しだけ離れたところに
同じように腰を下ろしたネギ先生が、ゆっくりと、その重い口を開いた。







ぽつぽつと、その幼い口から紡ぎだされる言葉は・・・半ば、私の予想通りの内容で。







予想していた・・・というコトは、当り前ですが、分かっていたというコトです。

ネギ先生のことですから、おそらく・・・アスナさん絡みの話であることは、容易に想像がつくことですから。




それなのに・・・。




俯きながら、ひどく不安げな表情で、今朝のアスナさんの様子を話し続けるネギ先生の姿をじっと見ていると、
何故かひどく、胸の奥が痛みます。








・・・・・きっと、ネギ先生の表情に、私の心が同調してしまっているのですね。








半ば強引に、自分の心の整理をつけて、私はネギ先生の話に耳を傾ける。

事実、目の前のネギ先生の表情は、ひどく憔悴しているように見受けられて。












カレンダーにつけられた、意味深な印。



そして、何よりも・・・。



いつも元気なアスナさんが垣間見せた・・・涙。











その表情から、口調から。


ネギ先生が、どれだけアスナさんを大切に想っているかが・・・ひしひしと伝わってきて。







再び痛み出した、胸の奥の鈍い痛みをグッと押し留めて、私はいくつかの可能性を、ネギ先生に提案してみる。






眠かったのではないか?という私の最初の予想に、ネギ先生は派手に階段を転がり落ちていった。




・・・・・私は、何かそんなにおかしなコトを言ってしまったのでしょうか。





最初の提案は、さりげなく(?)却下されたようなので、他に思いつく限りのコトを、一つ一つ、順序だてて
考えながら口にしていく。




哀しかったのか。それとも嬉し泣きなのか。

アスナさんの性格や、今日の日付に今朝になって印をつけたという事実。





様々な事柄を踏まえて、辿りついた『誕生日』という一つの予想に、ネギ先生が即座に反応を示した。









「誕生日・・・それだ!きっとそれですよ、夕映さん・・・!!」










誕生日に、何か思い当たることがあったのか、ネギ先生の表情が、急に明るさを取り戻す。




「いや・・・?で、でも・・・」




その説は、少しムリがあるのではないでしょうか・・・?





そう紡ぎかけた言葉は、何を根拠に確信を得たのか・・・自信に満ち溢れたネギ先生の言葉と、嬉しそうな
その表情の前に、有耶無耶に消えていく。










「ありがとう、夕映さん!やっぱり、夕映さんに相談してヨカッタです!!」









思いがけず突然に手を握られて・・・予想外の出来事に、私はただ、ネギ先生の顔を見つめることしか出来なくて。












「・・・・・・い、いえ・・・」











あまりにも真っ直ぐな・・・ネギ先生の視線。


耐え切れずに目を逸らした私は、やっとの思いで、その一言を口にする。














「本当にありがとうございました!夕映さん。」













言葉と同時に、丁寧に頭を下げて・・・・・ゆっくりと遠ざかっていく小さな背中を、私はただ、見るともなしに
その両の瞳に映し出していた。





















嬉しいような・・・哀しいような、言いようのない、この気持ち。




今、私の胸の奥で渦巻く・・・この気持ちの正体が、やっと分かったような気がするです。









―――――私は、きっと・・・ネギ先生のことを・・・・・











・・・・・・・・・・いや、これ以上考えるのは、よしましょう。

これ以上の詮索は、私自身にとってマイナスにしかなりません。








今はそれよりも・・・。













「ネギ先生も、アスナさんも・・・元気になってくれると、よいのですが。」


















空を見上げて呟いたヒトコトと共に、私は自分の胸の奥の感情に鍵をかけた。










―――――もう二度と、開くことがないように。
























アニま!23話の夕映ちゃんは本当に可愛かったですvv”

ネギに手を握られて、恥ずかしそうに視線を外すシーンはもうたまりません!!(>▽<。
前から夕映ちゃんはだいすきだったのですが、このシーンで一気に愛爆発。

ただ、お話にして動かすのは、感情表現が激しくない分、難しいキャラですね。(^^;

これからも夕映ちゃんのお話は書いていく予定ですので、よろしかったらまた
見ていただけると嬉しいです。





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