「アスナさん、なんですか?この細長い折り紙。」 赤、青、黄色。 いろいろな色の折り紙が、机の上に散らばっていた。 ★ 星に願いを ★ 「なに?ネギ、知らないの?今日七夕じゃない。」 机を挟んで向かい側に座るアスナは、サインペンを片手にオレンジ色の折り紙とにらめっこの真っ最中で。 「た・・・たなばた・・・ですか?」 「そう。愛し合う織姫と彦星が天の川を渡って、1年に1度だけ会うことが出来る日よ。」 「愛し合ってるのに、1年に1度しか会えないんですか?!ど、どーして?」 「実在してる人の話じゃないわよ。言い伝えって言うか・・・ネギ、こっちおいで。」 机の向こう側で、まるで自分のことのように今にも泣きそうなネギを、アスナは苦笑いを浮かべながら 自分のほうへと手招きする。 「ほら。星座の話よ。」 そのまま窓辺へとネギを連れて行き、珍しく晴れた七夕の夕空を指差す。 「な、なんだ・・・そうでしたか。」 アスナを見上げながら、照れ笑いを浮かべるネギに、思わずアスナの頬も緩んで。 「最近は、街の灯りとかが明るすぎるから、ここからじゃよく見えないけどね。」 そう言いながらも、アスナは自分の知りうる限りの七夕のついての知識を、ネギに披露する。 と言っても、アスナ自身もさほど多くのことを知っているわけではないが、イギリス出身のネギにとっては 耳慣れない話題だったせいか、瞳を輝かせながら、楽しげに耳を傾ける。 「・・・あれ?でも、アスナさん・・・?」 アスナの話を一通り聞き終えたネギが、突如頭に浮かんだ疑問を口にする。 「それと、この折り紙が何の関係があるんですか?」 「・・・あぁ、それはね。七夕の日に短冊に願い事を書いて笹につるすと、願いが叶うっていう言い伝えが あってね。寮の入口のトコに置いてあったでしょ?大きな笹。」 「はい。何に使うのかな〜って思ってたんですけど。」 「あれにみんなの短冊を吊るすのよ。ウチの学校は何でもお祭り騒ぎにするからね。」 苦笑いを浮かべながら、アスナは手近にあった短冊を掴むと、そのままネギに手渡す。 「ほら、あんたも何か書いたら?」 「え?え・・・その・・・」 「あんただって、願い事の一つや二つ、あるでしょ?」 「え、はい、モチロン・・・」 「何でもいいのよ。もっと大きくなれますよーに、とか。もっと強くなれますよーに、とか。」 そう言いながら、アスナは更に何枚かの短冊を鷲掴みにして、ネギへと強引に押し付ける。 押し付けられたネギは、されるがままに短冊を受け取ると・・・自分の手の中にある、色とりどりの短冊を見つめる。 「・・・・・アスナさん、僕、1枚だけでいいです。」 やんわりと、いつもの温かいけど、どこか大人びた笑みを浮かべて。 ネギはそっと、数枚の短冊を、アスナの手へと返した。 「なんで?・・・いーのよ?別に遠慮しなくても。」 一瞬、不思議そうな表情を浮かべてから、ネギの性格に気づいたアスナが、再びその手に握らせようとする。 そのアスナの手を、そっと包んで・・・ネギは、大きく首を振った。 「アスナさん、僕・・・強くなるのは、僕自身の力で強くなりたいんです。」 そう語るネギの瞳は、宇宙に広がる数多の星よりも、強い輝きを秘めているように見えて。 一瞬、目を奪われたアスナは、ネギの真剣な表情とは裏腹に、くすりと自然に笑みがこぼれるのを感じていた。 「こんなの一種の迷信みたいなモノなのに。・・・ま、あんたらしいけどね。」 くすくすと笑みを浮かべるアスナにつられるように、ネギの表情も、自然と柔らかくほころぶ。 その時、ネギの手に残された1枚の短冊が、ふとアスナの目に止まって。 当然といえば当然の疑問が、アスナの口をついて出た。 「で、その1枚には、なんて書くわけ?」 「え?・・・・・えっと、こ、これは・・・その・・・」 アスナにしてみれば、至極当然な疑問だったのに、聞かれた方のネギは、何故か頬を赤らめて、オロオロと 動揺を隠し切れない様子で。 「なによ〜?その態度・・・アヤシイわね。」 「あ、あ、あやしくなんかないですよぉ!」 「ならいいじゃない、教えなさいよ!!」 「お、教えたら、願い事が叶わなくっちゃうじゃないですか!」 「それは初詣の時のコトでしょ?」 「は、はうぅぅっ!!」 「いいから教えなさ〜〜い!!」 「う、うわぁ!アスナさん、やめてくださいよぉ!」 「いいから早く言え〜!!気になるでしょーがっ!」 「だ、ダメです、これだけは・・・」 「あんた・・・可愛くないわね・・・こうしてやるぅっ!」 「はひぃぃぃっ!!」 ―――――だって、恥ずかしくて、言えないよ・・・。 『アスナさんとずっと、ずぅっと・・・一緒にいられますよーに』 って、書きたいな・・・・・なんて、さ。 今日は七夕だ→よし何か書こう→完成 ・・・という構想も何もない一発書き&一気書きSS。(^^; ネギが七夕を本当に知らないのか? 七夕なんてしてる時点で、これはアニメのお話なのか? っつーか、このかは何処に行った?とか。 ツッコミどころ満載の話です。(笑) こんなお話に感想を求めるな・・・とも思うのですが、もし頂ければ それはもう励みになりますので、よろしければお願いいたします。 最後まで読んでくださってありがとうございました。 ブラウザを閉じてお戻りください。 |
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