どうしてなんだろう。


何でなんだろう。










何でこんなにも・・・・アイツのことが気になるんだろう。











どれだけ悩んでも答えは出てこない。
















             悩めよ オトメ





















そもそも私は、ガキは大嫌いなのよ。


だって、ガキってなーんにも自分で出来ないくせに、ぴーぴーうるさいし。

やっぱ男は、渋くて、ちょっと陰があって・・・高畑先生のような大人じゃなきゃ!



・・・まぁ、そんなコト言ってる私も、高畑先生から見たらガキなんだろうなー・・・とは、思うけど。









でも、そんなあたしの『ガキ=ウザい』のイメージを、アイツは・・・ネギは一新してしまった。











じっと見つめるのは照れくさいので、ちらりとだけ向けた視界の端に、隣に座るネギの顔が映る。
痛々しく残る傷跡は、昨日のエヴァちゃんの弟子入りテストの時のもの。


今でも、あのときのコトを思い出すと、何だか胸の辺りがずんと重くなる。


どうしてあんなに頑張るんだろう。
マギ・・・なんとかになって、お父さんを探すためとはいえ、どうしてこんなになるまで頑張れるんだろう。



こんなにムチャばかりしなくても、他にも方法があるんじゃないの?



弟子入りテストの後、抑えきれずに口に乗せた私の疑問に、アイツは、ぼろぼろなのに満面の笑顔で、こう答えた。








「前にも言いましたよね。・・・僕、今度何かあったら、アスナさんを守らせて下さいって。」









ぼろぼろで、弱々しい声なのに・・・それでも、その瞳には並々ならない決意の色が窺えて。





あの時と違って、今はホレ薬なんて、飲んでいないはずなのに。






最近見せることが多くなった、ネギの年齢よりも大人びた笑顔に、私の心臓が大きく跳ね上がる。









・・・・・な、何よ。何なのよ・・・このカンジ。











思い出すだけで、また胸の辺りが忙しなくざわめく。

同時に、頬が火照ってくるのを感じて、私はネギに見られないように、そっと顔を背けた。














ドキドキと煩い自分の鼓動に混じって、聞こえる・・・ネギと、カモの声。



何を話しているのかまでは、自分に余裕がないせいか、聞き取れないけれど。
私のこんな気持ちも知らないで、ノーテンキに笑いながら話している事だけは分かる。










・・・・・ったく、やっぱり、ガキはガキだわ。

私がどれだけ心配したかも知らないで。

よく、そんな何事もなかったように、笑ってられるわよね。



何よ、私一人で心配して・・・ドキドキして・・・・・バカみたいじゃない。







頭の中や心の中を、様々な想い、感情が、一気に駆け巡り、交錯していく。








・・・・・ううん、本当は思ったよりも、元気なことが・・・嬉しいくせに。

きっと、誰よりも・・・ホッとしてるくせに。










っていうか、何よりも。











どうして私は・・・こんなにアイツのことばかり、考えてるの?




















「・・・・スナさん・・・アスナさん!」


聞きなれた声に呼ばれ、現実へと引き戻された私の視界に、怪訝そうに下から覗き込む、ネギの顔が映る。





「・・・・・ネギ。」

「アスナさん、どうかしたんですか?」

「ゴメンゴメン、ちょっとボーっとしてて。」

「どこか痛いとか、気分が悪いとかじゃ・・・」

「そんなんじゃないわよ・・・ったく、心配性ね。」





「だ、だ、だって・・・アスナさん、今、すごくつらそうな顔してたから・・・。」








そのネギのヒトコトに、私は返す言葉を失ってしまった。









つらそうな顔を・・・していた?


・・・・・私が?













確かに・・・アイツがボロボロになっていくのを見ているのは・・・たまらなかった。

何度、止めに行こうと思ったかなんて、分からないほどに。




まきちゃんに止められてからも、本当は、強引に間に入ってでも、止めたかった。








・・・・・もう、修学旅行の時みたいな想いは・・・したくないから。












―――――ネギが・・・傷つかないように。




―――――私が・・・護りたいから。













「・・・・・?!」







自分自身が導き出した答えの意味が、よく分からなかった。










どうして、私は・・・こんなコトばかり考えてるの?











「アスナさん、アスナさん?・・・・本当に大丈夫ですか?」







心配そうに覗き込んでくるネギの顔が、思った以上に近くて。


一気に流れ込んでくる感情と、胸の奥から湧き上がってくる熱が、行き場を失って、私の中を駆け巡っていく。













お願いだから


これ以上、私のキモチをかき乱さないでよ・・・















「平気って言ってるでしょ!もう私に構わないでよっ!!」













自分で自分に歯止めがかけられなくて。


発した言葉と同時に、押し寄せる・・・後悔の念。








「・・・・・ゴメンなさい。僕、そんなつもりじゃ・・・」








項垂れたまま、顔を上げようとしないネギに、何か言わなきゃいけないのに。













その『何か』が、私の口から紡がれることはなかった。

















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なんかほのぼのラブラブを書きたかったのに、何ゆえこんなことに。(悩)

でもアスナとネギがほのぼのラブラブしてるトコって想像つかない・・・(=_=;
と、とりあえず、言い訳(?)は続きを書いてからにします。


最後まで読んでくださってありがとうございました!





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