黙り込んでしまったネギは・・・私に遠慮したのか、ロフトに上がってしまって。









こんな時に限って、このかが出かけていないことが・・・何だかとても憂鬱だった。



















悩めよ オトメ






















とりあえず、何をしたらいいのか分からないままに、英語の教科書を開けてはみたけれど。



元々、勉強しようと思った時でさえ分からない英文が、ヤル気さえないのに・・・分かるはずもなくて。










気がつくとチラチラと、後のロフトへと視線を向けてしまっている自分がいた。












勉強机から見えるアイツの背中は・・・当たり前だけど、とても小さくて。

10歳で教師という特異性や、魔法使いというファンタジーな世界ばかりが目に付いて、今まであまり
気に止めたこともなかったけど。






教師だけど・・・魔法使いだけど・・・まだ、10歳の子供なんだ・・・。






本当なら、ランドセル背負って、親に甘えているはずの年頃。








私は10歳の時、何してたかな?

両親は・・・私にはいなかったけど、当り前のように学校へ通っていた。
それがフツーであって、何もおかしくはないのだろうけど。


そういう意味ではやっぱりネギは特別なんだろうと思う。
でも・・・どんなに頭がよくても、ネギが10歳であるという事実に、変わりはないはずで。


そういえば、アイツの・・・ネギのお父さんの話は少しだけ聞いたけど、お母さんに関する話は
今まで一度も、聞いたことがない。






いつも笑っていて、何にも言わないから・・・分からないけど。










私が思ってる以上に・・・・・ネギは、いろいろなモノを抱え込んでいるのかもしれない。












その小さな、小さな背中には・・・重すぎるモノを。

















―――――あぁ、そうか。

それで私は・・・アイツのことを護ってあげたいって・・・思ったんだ。









あまりにも多くのモノを、一人で抱え込んでしまおうとする、その危うい姿が。
まだ子供のはずなのに、たまに見せる大人びた表情が。








子供嫌いのはずの私が・・・こんなコト思うなんて、変かもしれないけど。









もっと、子供らしくても・・・いいじゃない。
もっと、周りを頼ってくれても・・・いいじゃない。












きっと、そう・・・思ったから。














さっきから一文字も書いてなんかいないシャープペンを、顎の下に当てて・・・少しだけ、悩んで。
















覚悟を決めて・・・そっと机の上に置くと、私はゆっくりと立ち上がった。

















その小さな背中が、少しずつ・・・少しずつ、近づいてきて。
ロフトへ上がる階段を、ゆっくりと・・・ゆっくりと、出来るだけ音を立てないように上がる。






ネギが本当に気づいていないのか・・・それとも気づいていないフリをしてるのか・・・わからないけど。


















「・・・・・ゴメン。ネギ・・・」


















言わなければいけなかったヒトコトと同時に、その背中をそっと抱き締める。


















「・・・ア、アスナさん?!」








上ずったネギの声が、耳元で響く。

抱き締めたまま、その肩に顔を埋めていても分かるくらい・・・ネギは耳まで真っ赤になっていて。


















多分、私が護ってあげたいって言っても・・・コイツは、聞き入れてはくれないだろう。




















やっと、気がついた。





何で・・・?とか、どうして・・・?なんて、悩むのは・・・私のキャラじゃない。










『護りたい』と、思うから。












それだけで・・・今は充分。
















―――――私が・・・護ってあげるからね・・・アンタのこと。
















私の腕の中で慌てふためくガキンチョの耳元で、そう囁いた。







・・・・・照れくさいから、心の中だけで。


















*Fin*



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ちょっと間が開いてしまいましたが、ようやっと後編をお届けします。(^^;

最初目指していたものとちょっと(かなり?)違ってしまった気がしないでもないですが
何とか終われてヨカッタです。

とりあえず目指したものは「ネギのコトを意識してるのに、その感情の正体に気づかずに
悩むアスナ」だったのですが・・・。
自分の子供嫌いな性格と、ネギが子供だからというのがネックになってしまって、自分の中に
渦巻く感情に、説明がつけられずに悩むけれど、そこはほら・・・アスナさんですし。(笑)

『そんなことどうだっていいじゃない!そう思うんだからそうするのよ!何か悪い?』

最後はそんなノリになってしまいました。ヾ(;´▽`A``

でも、アスナにはそうあってほしいですよ、夜神個人的には・・・ですけど。
ネギのコトを異性として意識していることを自覚するのは、まだまだ先でいいです。(笑)
無自覚なまま、ドキドキしたりヒヤヒヤしつつ「何で私がっ?!」と一人ツッコミをしてしまうような
アスナでいてほしいです・・・。アスネギ万歳。ヾ( ̄∇ ̄=ノ



最後まで読んでくださってありがとうございました。





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